高血圧と眼の疾患
- 2024年5月8日
- 病気について
高血圧は、単に「血圧が高い状態」ではなく、全身の多くの臓器に影響を与える深刻な病気です。目に対しても様々な悪影響を及ぼすことが知られています。今回は、高血圧が眼に与える影響について、そのメカニズムと症状、そして予防や対策について詳しくご説明します。
高血圧が眼に与える影響
高血圧になると、眼に対して二つの問題を引き起こします。ひとつは「網膜症」、もうひとつは「視神経症」です。
網膜症
網膜は、目の奥に位置し、光刺激を感じ取る組織で、カメラで例えるとフィルムの部分です。高血圧によって網膜の血管がダメージを受けると、網膜症が発生します。この状態は「高血圧性網膜症」と呼ばれ、血管が細くなったり、血液成分が網膜に漏れ出したりします。これにより、視力低下や視野の欠損が生じることがあります。さらに進行すると、網膜剥離や失明を引き起こす可能性もあるので大変恐ろしい病気です。
視神経症
高血圧は、視神経への血流を阻害することによって、視神経を傷害することがあります。視神経は、網膜からの情報を脳に伝える重要な神経です。この神経が損傷すると、視力低下、視野狭窄を引き起こすことがあります。
症状と検査
高血圧性眼症の初期症状はしばしば見落とされがちです。多くの場合、重大な視力障害があらわれるまで無症状です。そのため、定期的な眼科検診が非常に重要になります。網膜のチェックのための眼底検査、視力検査、眼圧の測定などを通じて、初期の異常を発見することが可能です。
予防と対策
高血圧性眼症の予防は、まず高血圧そのものの管理から始まります。適正な食生活、適度な運動、ストレスの管理、適切な睡眠、禁煙などが推奨されます。また、医師の指示に従って降圧剤を適切に使用することも重要です。
定期的な血圧測定と、年に一度の眼科検診により、高血圧による眼の病気を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。視力は一度失われると、元に戻るのが難しい場合が多いので、予防が非常に重要です。
高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれます。無症状で進行することが多いため、自覚症状がなくとも定期的な検査を怠らないことが、健康な日常生活を送るための鍵となります。自分の体を守るためにも、ぜひ積極的な健康管理をしてきましょう。
高血圧を指摘されたら、サークル帝塚山眼科まで、お気軽におこしください。