今回はサークル帝塚山眼科で行っている、話題のオルソケラトロジーについて説明します。
オルソケラトロジーは近視治療の選択肢の一つです。近視を矯正するには、眼鏡、コンタクトレンズ、レーシック、ICLがありますが、その中のコンタクトレンズによる治療法の中に、このオルソケラトロジーが分類されます。
オルソケラトロジーは通常のコンタクトレンズとは違い、夜間に装着する特殊なコンタクトレンズです。就寝時にこのコンタクトレンズを装着することによって、角膜の形状を一時的に変化させることにより近視を矯正します。就寝中にこのレンズを装着することでレンズが角膜上の涙液層、角膜を均等に圧迫し、角膜の中央を薄くし周辺域を比較的厚くするように圧力をかけます。その結果、目の屈折が変わり、網膜に焦点を合わせやすくなって、日中の視力が改善されます。
朝、レンズを取り外しても矯正効果は維持されるため、日中は眼鏡やコンタクトレンズなしで過ごすことが可能になります。しかし、この角膜形状の変化は可逆的であり、持続的な効果を得るためには定期的なレンズの装着が必要です。治療をやめると、角膜は元の形に戻り始め、視力も元の近視の状態に戻ります。
本来は、近視矯正のため開発されたオルソケラトロジーですが、最近の研究では、子供の近視進行を抑制するための効果的な手段として注目されています。実際に、いくつかの研究では、オルソケラトロジーが近視進行の緩和に役立つことが示されています。これは若い年齢で近視が進行すると、将来的に重度の近視になるリスクが高まり、それがまた網膜剥離や白内障のような眼の健康問題を引き起こす可能性があるため、特に重要です。
つまり、近視は、小児期にしか進行を止めることができず、いったん近視が進行すると、将来的に目のトラブルが起こる可能性があるため、小児期の近視治療はかなり大切です。
オルソケラトロジー治療を始める前には、しっかりとした検査と評価が必要です。角膜の形状や厚さを計測し、個々に合わせたオルソケラトロジーのレンズを処方します。その後、定期的に診察をさせていただき、近視の進行や、レンズの装着具合、角膜の傷などを確認させていただきます。レンズケアや衛生にも非常に気を使う必要があり、正しく行われないと感染症のリスクが高まります。
オルソケラトロジーは近視治療の革新的な手法として多くの利点があるため、近視で現在眼鏡で生活をしているお子様は一度お試しください。
サークル帝塚山眼科では、ご予約にてオルソケラトロジーを行っております。また、様々な説明資料も用意しているため、少しでも興味があればご来院してください。丁寧に説明させていただきます。