マイボーム腺機能不全(MGD)について
- 2024年7月4日
- 病気について
マイボーム腺機能不全(MGD: Meibomian Gland Dysfunction)は、涙液の蒸発を防ぐために重要な役割を果たす油性成分を分泌するマイボーム腺の機能が低下する病態を指します。この疾患は、ドライアイ症候群の一因となり、視力や生活の質に多大な影響を与えることがあります。
病態
マイボーム腺はまぶたの縁に位置し、その主要な役割は脂質(油性成分)を分泌して涙液の安定性を保つことです。健康なマイボーム腺は、涙液の蒸発を防ぎ、目の表面を潤滑に保つために必要な脂質を供給します。しかし、マイボーム腺機能不全が発生すると、腺が詰まり、油性成分の分泌が減少したり、異常な質の脂質が生成されたりします。この結果、涙液の質が損なわれ、蒸発が早まり、ドライアイが生じます。
症状
MGDによる症状は多岐にわたります。主な症状には以下のようなものがあります:
- 乾燥感:涙液の蒸発が速くなるため、目が乾燥しやすくなります。
- 異物感:目に砂粒が入っているような感覚を覚えることがあります。
- かゆみや灼熱感:乾燥により、目がかゆくなったり灼熱感が生じることがあります。
- 視力の低下:涙液の不安定性が視力に影響を与え、一時的な視力の低下を引き起こすことがあります。
- 赤みや炎症:慢性的な炎症により、目の周囲が赤くなることがあります。
- 涙目(流涙):逆説的ですが、ドライアイに対する反応として過剰な涙が分泌されることがあります。
治療
マイボーム腺機能不全の治療は、症状の軽減とマイボーム腺の機能改善を目指します。以下に一般的な治療法を紹介します:
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温罨法(温める治療):温かいタオルや専用のアイマスクを使用してまぶたを温め、マイボーム腺の油の流れを促進します。これにより、詰まりを解消し、油性成分の分泌が改善されます。
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まぶたのマッサージ:まぶたを優しくマッサージすることで、マイボーム腺の内容物を押し出し、分泌物の流れを助けます。
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クリーニング:ホットタオルでまぶたの縁を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぎます。市販のまぶた用クリーナーを使っても良いでしょう。
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人工涙液:人工涙液を使用して目の表面を潤すことで、乾燥感や異物感を軽減します。
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抗生物質や抗炎症薬:細菌感染の疑いがある場合や炎症がひどい場合は、目薬や軟膏として抗生物質や抗炎症薬を処方します。
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リピッドベースド涙液:リピッドベースの人工涙液は、涙液の蒸発を防ぐのに特に効果的です。
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高度な治療法:専門の機器を使った治療もあります。例えば、リピフローニクス(Lipiflow)という機器を使用してマイボーム腺を適度な圧力と加温で刺激し、脂質の流れを改善する方法があります。
予防とライフスタイルの調整
日常生活においても、MGDの症状を軽減するための工夫が有効です:
- 適切な眼のケア:まぶたの清潔を保つために、日常的にまぶたの縁をクリーニングする習慣をつけるとよいでしょう。
- 目の乾燥を防ぐ:長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用は目の乾燥を引き起こしやすいです。定期的な休憩と瞬きを意識することが大切です。
- 加湿器の使用:乾燥した環境は目に悪影響を与えるため、室内の湿度を適度に保つことを心がけましょう。
マイボーム腺機能不全は、適切なケアと治療によって症状を大幅に改善することが可能です。専門医に相談し、個々の症状に合わせた最適な治療法を選択することが重要です。皆様の目の健康を守るために、早めの対処と定期的な眼科検診をお勧めします。
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